本調査は、日本国政府が従来実施してきた南極海における鯨類資源の持続的利用を目的とした資源調査(非致死的調査)を継続するもので、昨年6月30日の国際捕鯨委員会(IWC)脱退後、南極海における第2回目の調査航海となります。
今年度の調査は、南極海において調査船1隻により鯨類目視調査、衛星標識の装着およびバイオプシー試料の採集などを行います。
調査目的は、大型鯨類の資源量推定に必要な目視データを収集すること、そして、自然標識の記録(個体識別写真の撮影)や衛星標識の装着、バイオプシー試料の採集を行ってこれら鯨類の資源管理に有用な移動や繁殖海域の推定、個体および系群識別情報を収集することです。
本調査の結果はIWCや南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)といった国際機関の科学委員会に提供する予定です。
なお、昨年の調査航海の結果概要は本年5月のIWC科学委員会に報告され、高い評価を得ております。
調査船 第二勇新丸は本年12月4日に宮城県塩釜港より出港し、1月中旬以降、南緯60度以南の海域において2月上旬まで調査を実施し、3月22日に同港に帰港予定です。
本調査は、当研究所が中心となって計画の立案と実施並びに結果の分析を主導します。
(1) 南極海における大型鯨類の資源量及びそのトレンドの研究
(2) 南極海における大型鯨類の分布、回遊及び系群構造の研究
2020年12月4日−2021年3月22日(109日間)
調査海域は、IWCの管理海区の一つ、第III区西側海域で、南緯60度以南の東経15度から35度までの海域(図1)です。
磯田辰也(調査団長:(一財)日本鯨類研究所 主任研究員)以下5名
第二勇新丸(747トン、共同船舶(株)所属、阿部敦男船長 以下17名)
磯田調査団長、阿部船長 以下22名が乗船し、調査航海に従事する。
指定鯨類科学調査法人(一財)日本鯨類研究所