2000年から実施している第二期北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNII:通称 ジャルパン・ツー) では、鯨類が消費する餌生物の種類や量、鯨類の餌生物に対する嗜好性などを調べて鯨類の摂餌生態を解明するとともに、それらの相互関係を基にした生態系モデルの構築を進めて、鯨類を含む日本周辺の水産資源の包括的管理に貢献することを主目的にあげて取り組んでいます。
2014年3月の国際司法裁判所(ICJ)による第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII)の判決を受け、北西大西洋の調査(沿岸調査及び沖合調査)についても、2014年から2016年までの3年間、調査目的を限定して実施することになりました。
これに加えて、非致死的調査を充実させて、実行可能性に関する検証を行うことになりました。
このため、本年の調査は昨年及び一昨年と同様に捕獲対象鯨種および標本数を変更するとともに、JARPNIIの最終調査となります。
目視採集船勇新丸及び第二勇新丸は5月12日に下関港より、調査母船日新丸は、5月13日に土生港より出港し、捕獲調査を実施する予定です(7月下旬終了予定)。
調査海域は、北西太平洋北緯35度以北、日本沿岸から東経170度までの北西太平洋(7、8、及び9海区)の一部海域(図1)です。
今次調査でも、昨年と同様に、捕獲標本数はイワシクジラ90頭及びニタリクジラ25頭を予定しています。
また、非致死的手法による調査を充実させ、実行可能性に関する検証を行います。
一般財団法人 日本鯨類研究所
調査母船 日 新 丸 ( 8,145トン 小川 知之 船長以下100名)
目視採集船 勇 新 丸 ( 724トン 阿部 敦男 船長以下20名)
目視採集船 第二勇新丸 ( 747トン 大越 親正 船長以下20名)
調査団長 坂東 武治((一財)日本鯨類研究所 調査研究部鯨類生物研究室室長)他6名の計7名
(参考) 国際捕鯨取締条約第8条(抜粋)
1.この条約の規定にかかわらず、締約政府は、同政府が適当と認める数の制限及び他の条件に従って自国民のいずれかが科学的研究のために鯨を捕獲し、殺し、及び処理することを認可する特別許可書をこれに与えることができる。
2.前記の特別許可書に基づいて捕獲した鯨は、実行可能な限り加工し、また、取得金は、許可を与えた政府の発給した指令書に従って処分しなければならない。